2005年9月に発表された国務省のVisa
BulletinにEB3などの永住権申請においてAdjustmentに「待機期間」が発生してしまいした。これを受け、この例題4に関して重要な「注意書き」があるので、記事の最後まで必ず目を通してください。
通常、留学生は勉強が終われば自国に戻る意思を継続している必要がありますので、永住する意思を持っていると、学生ビザを更新したり、そのビザを使って入国することはできません。しかし、ビザ申請の段階や入国の段階で最終的に帰国する意思を持っていても、途中でその意思が変わることもあります。例えば、留学生がアメリカ市民と結婚した場合など、F1ビザのステータスから永住権への変更申請をアメリカ国内ですることもできます。また、看護士の資格を取った留学生がそのままアメリカの病院にスポンサーになってもらい永住権の申請をすることも、少なくありません。当初は勉強が終われば帰国する意思を持っていても、上記のように状況の変化によってその意思が変わることは違法ではありません。
同じ意味で、もし留学生がPERMを申請する場合でも、上記の基本的にルールは適用されると考えてよいと思います。例えば、F1ビザを取得し入国直後やプラクティカルトレーニングの許可が下りた直後にPERMを申請すると、最初から永住する意思があり、F1ビザ取得や学生としての入国が詐欺的な行為であると解釈される危険性もあります。その反面、学生だからといって、PERMを申請できないというルールもありません。本当に途中で意思が変わることは違法ではないのです。
PERMは留学生にも、永住権取得の一つの方法になる可能性があります。上記に説明したとおり、2〜3ヶ月間の求人活動をしたあと、労働省にLabor
Certificationをオンラインで申請します。その後、監査の対象にならなければ、60日程度で審査が完了し、問題なければ、許可されます。Labor
Certificationが下りたあとは、移民局に永住権の申請ができます。
それから永住権を取得するまでには最低でも1〜2年はかかりますが、その間、合法的に仕事をすることができるテンポラリーの就労許可証やビザなしで国外への出入国が可能になる一時渡航証などを取得することができます。すなわち、PERMでのL/C申請を完了するために必要な
6ヶ月程度を合法的に滞在することができれば、その後、永住権を申請し就労許可証なども取得することもできるということです。このタイムラインを留学生のケースにあてはめると、卒業後許可される1年間のプラクティカルトレーニング中に永住権の申請が可能だということです。
2005年3月にPERMが開始した当時のモデルは以下の図の通りです:

このことは、留学生にとっても非常に重要な意味があります。
下記表にPERM導入によって留学生が得られるベネフィットをまとめました 。
|
| ポイント |
今までは・・・ |
PERM導入で!! |
|
| 短大や専門学校を卒業した留学生 |
卒業後、H1Bを取れない留学生は、ほとんど継続して滞在・就労する機会はありませんでした |
PERMでの申請によって、合法的に継続して滞在・就労できる可能性が! |
|
|
H1B資格のある留学生で、年間枠の為、プラクティカルトレーニングが有効な間にH1Bへ変更できない方 |
通常、そのような場合、特令によって学生滞在期間が延長されない限り、一旦日本に戻って待機しないといけなくなります |
PERMでの申請によって、合法的に継続して滞在・就労できる可能性が! |
|
|
H1Bを申請後、永住権を申請する方(コストの問題) |
雇用主にとっては、H1Bを申請するにあたり、26名以上の会社は、1500ドルのトレーニング料(25名以下は、750ドル)、更に、3月からは、ビザ詐欺対策費として、500ドルの追加申請料も課せられます。これらの費用以外に、H1B申請料として185ドル、そして、プレミアム申請を選択する場合は、1000ドルの追加申請料がかかります。従って、申請料だけで3000ドル以上もかかる可能性があります。プラス、これに弁護士料や諸経費を足すと、3年間のH1Bを取るだけで、5000ドル以上かかる計算になります。もちろん、これだけの費用をかけても、H1Bが取れる保証はありません。 |
最初から永住権を申請したほうがよいと判断する雇用主も・・・!! |
ただし、誰でもが簡単にPERMによって永住権を取得できるわけではありません。どのような方法であれLabor
Certificationを取得するには前述の条件を満たす必要がありますので、ご注意下さい。
具体的なケースで検証してみましょう。例えば、アメリカの短大を会計学で卒業された方の場合、大卒ではないので、H1B1を取ることはできませんが、卒業後、プラクティカルの許可を取得し、1年間は仕事をすることができます。仮に、その方は、会計事務所で会計スタッフとして職業研修をしているとします。その事務所が研修後も継続してその方を雇用したい場合は、H1B1の申請ができないため、今まであれば、市民との結婚や抽選などで永住権を取得しない限り、プラクティカルが終了した時点で解雇するしかありませんでした。
PERMでのLabor
Certificationを申請した場合は、プラクティカルの有効期限が切れる前にテンポラリーの就労許可証を取得し、継続して就労できる可能性もあります。

プラクティカルをはじめて、3ヶ月後に、雇用主から永住権申請のオファーがあったとします。それから、3ヶ月間求人活動を行い、その後、PERMによってLabor
Certificationを申請します。その2ヶ月後に、Labor
Certificationが下りたとします。この時点で、プラクティカルをはじめてから8ヶ月経ったことになります。その後、移民局に永住権の申請をしますが、同時にテンポラリーの就労許可証も申請します。永住権の許可が出るまでは1年以上かかりますが、就労許可証は60日から90日程度で入手可能です。従って、単純に計算をすると、プラクティカルが終わるまでに、就労許可証の入手も可能なので、永住権を申請することによって継続して就労することも可能です。仮に多少時間的に間に合わない場合でも、プラクティカルが終了してから60日間は滞在可能なので、テンポラリーの就労許可証は取得できなくとも、継続して滞在することできるかもしれません。また、移民局に永住権の申請(アジャストメント)を申請した時点で、滞在が可能になりますので、猶予期間の60日が過ぎるまえに、アジャストメントを申請することができれば、とりあえずの滞在は可能になります。
次にこのシナリオがうまくいかない場合について、説明致します。まず最初に求人活動の時点で、条件を満たした米国労働者がみつかった場合です。米国労働者とは、市民だけでなく、永住権保持者やその他の就労許可証を持っている方が含まれますが、就労ビザのスポンサーが必要になる方は対象にはなりません。このケースでは、オファーされているポジションが会計士ですが、通常、アメリカで会計士が不足しているということはありません。しかし、例えば、地域によっては、日本語が流暢な会計士が不足している可能性はあります。もしオファーされているポジションの条件として、日本語が必要であり、そのことを証明することができれば(例えば、会社事務所のクライアントが日本の親会社との連結決算をしており、日本語を資料などをある)、会計士のような職業でもLabor
Certificationを取得することは可能です。
次に、求人活動によって米国労働者がみつからず、Labor
Certificationを申請したが、監査の対象になり、余分な時間がかかってしまった場合です。PERMによって申請したからといって、許可がでる保証はありません。監査の対象になった場合、求人活動の証拠を提出しないといけません。その場合、どのぐらいの期間で結論がでるか明確ではありません。また、監査の結果によっては、申請が却下される可能性もあります。どのような理由にしろ、時間的な遅れがあった場合、プラクティカル中の1年以内(または猶予期間を入れて1年2ヶ月以内)に、移民局に永住権の申請をすることができなくなり、H1Bなどの就労ビザを取れない場合は、その時点で一旦アメリカを取得しないといけなくなる可能性があります(ただし、180日以内の不法滞在であれば、アジャストできる可能性もあります)。
「注意」〜2005年9月に発表された国務省のVisa
Bulletinを受けての注意事項です〜
しかし、前述「ISSUE1」の通り、2005年9月の時点ではPERMでLabor
Certification許可を得ても、次の「ステップ3」Adjustment
of Statusを行えません。従って、下図のような待機期間が発生してしまい、プラクティカル・トレーニングが完了した後、待機期間中に何か合法的な滞在が無ければ帰国せざるを得ません
(ビザ博士:永住権コーナーもご参照下さい)。

もちろん、一旦、出国して永住権を待つことも可能ですが、国外で待つ場合は、テンポラリーの就労許可証などは発行されませんので、実際の永住権が発行されるまで国外で滞在することになります。永住権のインタビューは日本の東京大使館で行われます。
手続きに必要な書類等の詳細は、こちらのページ(PERM手続き)をご参照ください。
|