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ビザ博士に聞こう! J-1ビザって何?
交換訪問者ビザ(Jビザ)とは、留学生、職場訓練生、研究者など幅広い分野での交換プログラムで活躍したい方が利用出来るビザです。
一般的に、Jビザで参加した交換訪問プログラムが終了したら、直ちに帰国することが義務付けられているような誤解をされがちですが、実は一部のプログラム以外はそうした制約はなく、逆に就労ビザ、学生ビザよりも便利な面もあります。

ビザ博士に聞こう! 基本理念
そもそも交換訪問者ビザとは、ビザ対象者の本国にない技術や学問等をアメリカで学び、本国へ戻る事によりその知識を普及させる、という考えが元になっています。従って、交換訪問者ビザを利用し、アメリカで技術を身に付けた方は、「本国へ帰る」事が前提となります。Jビザ申請当初から、プログラム終了後、帰国せずに他の就労ビザや永住権等を申請する「意図」があった場合は、この「基本理念に反する」事から、そのJビザの申請は却下される可能性が高まります。また、日本政府が奨学金を出しているJビザプログラムに参加した方に、そのプログラム終了後、アメリカ政府が別の就労ビザを発給した場合は、日本政府の意図(奨学金を出す代わりに、アメリカで取得した技術・知識を日本へ普及させる)を侵害する形になるので、アメリカ政府としては出来る限り避ける=新たな別ビザを発給しない=と思われます。

ビザ博士に聞こう! 2年間の本国待機制度は「H」、「L」ビザ、又は「永住権」のみ

この基本理念を再認識させるため、一部のJビザではプログラム終了後、ビザ対象者の本国で2年間待機しないとアメリカでの「」、「」ビザ、又は「永住権」を申請する事が出来ない制度が設けられています。しかし、それ以外の就労ビザ(例えばE, O)、学生ビザ(F, M)への申請、または観光での渡米等には制約はありません(ビザ変更のタイミングに関しては後述します)。待機制度に該当するJビザ・プログラムは:

  •  アメリカの医学・医薬技術の習得を目的とした医大生 (下記表「Foreign Medical Student」) 研修プログラム参加者
  •  アメリカ又は日本政府から奨学金を受け取っているプログラム参加者
  •  本国で極端に不足している技術の研修プログラム参加者 (日本は殆ど該当しません)

例えば、上記のJビザプログラムを終了後、本国へ帰国したのが2004年の4月だとします。再びアメリカで「」、「」ビザにて就労したい方は、2年後の2006年の4月まで待たなければなりません。そして、「永住権」を希望される方も同様に、この2年待機制度を免除されない限り、永住権の申請が2年間行えません。ただし、2年待機制度が該当するこれらのプログラム終了後の一部就労ビザ(例えばE, O)、学生ビザ(F, M)への申請、または観光での渡米等には制約はありませんので、くれぐれも誤解されないようご注意下さい。

上記の3つのプログラムに該当し、プログラム終了後、「」、「」ビザにて就労、又は「永住権」を申請したい方には、本国の政府が2年待機の制度を「免除する」と言う趣旨の手紙を出す事も出来ますが、特に「アメリカの医学・医薬技術の習得目的とした医大生」の場合は必ずしも受理されるとは限りません。一方、2年待機制度の結果、アメリカで病気を治療中の配偶者、家族と離れ離れなってしまう、又は本国の政治・紛争が原因で帰国が身の危険を意味する等の場合は「免除」の対象になる可能性があります。また、医大生の「免除」条件として、プログラム終了後、アメリカ政府・州機関が指定する「医師不足地域」での雇用といったものもあります。


ビザ博士に聞こう! 待機制度のない、その他のJビザ・プログラム

しかし、前述の3つのプログラムに該当しなければ、基本的には2年間の本国待機義務は課せられません。従って、参加されるプログラムが一部の学生ビザや就労ビザと類似した該当資格を設けている場合は、滞在期間や審査基準などをもとにご自身に最適なビザを選ぶ事が出来ます。以下にJビザに含まれる各カテゴリーの滞在期間、他のビザとの比較などを記載します。

カテゴリー名  概要 滞在期間 2年間の本国待機制度 他のビザとの比較、条件など
Student 高校、短大、大学、大学院への留学 ・ 学位終了にかかる期間+18ヶ月のアカデミック・トレーニング・ 博士号の場合は学位終了にかかる期間+36ヶ月のアカデミック
・トレーニング
・ 15歳〜18歳半の高校生の場合は1年間の滞在のみ
該当しない F-1, M-1学生ビザに比べて、アカデミック・トレーニング期間が長いが、学校を変更(転校)する手続きが容易ではありません
Trainee 芸術、文化、メディア、教育、ビジネス、医療、科学、建築、農水産業、法律などの分野での訓練 最長18ヶ月
農業、ホスピタリティー(ホテル、レストラン、旅行事業等)の分野の研修は最長12ヶ月
該当しない アメリカ以外での大学、短大、専門学校の卒業、かつアメリカ以外の国で1年以上の実務経験がある方、もしくは、大学などを卒業されていない方は、アメリカ以外の国で5年の実務経験がある方が対象。
Intern 芸術、文化、メディア、教育、ビジネス、医療、科学、建築、農水産業、法律などの分野での訓練 1年 該当しない 現在アメリカ以外の大学、短大、専門学校で教育を受けている方、または卒業して12ヶ月以内の方が対象。
Foreign Medical Graduate Students アメリカの医学・医薬技術の習得を目的とした医大生 7年 該当する National Board of Medical Examiners Exam(Part 1&2), Foreign Medical Graduate Exam (Medical Science), US Medical Licensing Exam (Step 1)に合格している事が条件となります
Teachers, Professors, Research Scholars 私立・公立の小学校、中学校での教員、大学、企業などでの共同研究、セミナーに参加する研究者 3年 該当しない  
International Visitors 文化交流 1年 該当しない 文化交流を目的とするQビザの滞在期間は15ヶ月+新たなスポンサーが見つかった場合は更に15ヶ月延長出来ます
Specialist アメリカの科学技術施設、政府団体、博物館、企業などで研修を行う特殊知識者 1年 該当しない  
Au Pairs チャイルド・ケア 1年 該当しない アメリカのホストファミリーと共に暮らし、週45時間までチャイルド・ケアを勤め、週6時間まで短大、大学などの授業を履修できます
Government Visitors アメリカ政府によって招待され、プロ・個人としてアメリカの組織との結びつきを強化させる 18ヶ月 該当しない  
Camp Counselors サマー・キャンプのカウンセラー 4ヶ月 該当しない  
Summer Work Travel 夏休みを利用しアメリカで働きたい方 4ヶ月 該当しない  

Short-term Scholars

短期間のセミナー、研究、会議など短期間の学問研究 6ヶ月 該当しない  

 
ビザ博士に聞こう! Jビザの主だったカテゴリーについて

Student
アメリカに留学される方には自動的に「J-1」、「F-1」、「M-1」と言う選択が与えられる訳ではありません。J-1ビザで留学するのは、各種交換留学生プログラムに申し込む必要があり、それぞれ審査基準や申請方法が異なります。しかし、希望の学校が交換留学生プログラムを設けている事が分かっている場合は、「F-1」、「M-1」との優位点を比較し、「J-1」ビザで留学を検討する事が出来ます。やはりJ-1ビザで大学等に留学される最大の利点は、卒業後のプラクティカル(アカデミック)・トレーニング期間の長さです。一般的に利用されるF-1ビザのプラクティカル・トレーニングは12ヶ月、M-1の場合、最長6ヶ月。一方、J-1のアカデミック・トレーニング期間は最長18ヶ月です。そして博士号の場合は最長36ヶ月まで有効です。また、F-1, M-1学生ビザと違い、J-1の扶養者(J-2)が就労許可書を得て働く事ができます。ただし、飽くまでも「補助的な収入」の範囲内である必要があり、J-1本人までも養う趣旨での扶養者の就労は認められない事が予測されます。

Trainee/Intern
芸術、文化、メディア、教育、ビジネス、医療、科学、建築、農水産業、法律など、幅広い分野での訓練に利用出来ます。しかし、基本理念にもあるように、アメリカの職場で技術や文化を学び、習得した知識を本国で普及させる事が目的なので、アメリカ人の雇用を奪うような即戦力としてではなく、訓練生としての就労と理解して下さい。しかし、就労ビザでありがちな「雇用先が日系企業」、「学歴条件が大学卒」、「管理職経験が前提」と言った制約も無いので、とりあえずアメリカの職場を経験したい、という方には適したビザとなります。また、上記の通り、2年間の待機制度は適用されないので、例えば、J-1/Traineeとして渡米、その後に訓練先の職場や別の職場から「雇用」の誘いがあった場合は、各種就労ビザに変更する事が出来ます。更に、J-1/Student 同様、「補助的な収入」の範囲を超えない事が条件付ですが、扶養者(J-2)が就労許可書を得て働く事ができるので、Hビザ等とくらべ便利なビザになっています。

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各種就労、学生ビザ同様、J-1ビザを取得するには、スポンサーになる団体(高校、大学、企業、病院、政府団体、交換訪問プログラムスポンサー組織等)の存在が必要となります。交換プログラムを設けており、アメリカ国務省に認可を受けているこれらの団体には、以下のような種類があります:

ビザスポンサー
1.交換訪問プログラムを行っている団体がスポンサー
ビザスポンサー
2.交換訪問プログラムを行っている団体への斡旋・管理を行っているスポンサー組織
1. に関しては、アメリカ国務省サイト(http://exchanges.state.gov/education/jexchanges/about/catalog/designated_sponsors.pdf)などにリストが掲載されていますので、ご参照下さい。
2. の機能を果たしている組織は、www.aipt.org, www.interchange.org, www.ecfmg.org/evsp, など数多く存在していますので、ご参照下さい。

ビザ博士に聞こう! 他種ビザへの変更

前述の基本理念でJビザ申請時の「意図」という話をしましたが、これは具体的には、申請日から数えて61日目以降に気が変わって別のビザへの変更を申請した場合は、最初から変更する意図がなかったので、ビザが発給される可能性があります。しかし、例えばJビザ申請日からわずか数日後に別のビザ(就労ビザ、学生ビザ、永住権等)を申請した場合は、交換訪問者ビザの基本理念を利用し、意図的に虚偽のJビザ申請をしたと見なされ、ビザ変更が却下される可能性が考えられます。区切りとして覚えておきたいのは、0日〜29日目は却下、30日〜60日目は可能性はあるが不確実、61日目以降の気持ちの変化は「もともと意図がなかった」事から受理される可能性が高まります。


ビザ博士に聞こう! H−1Bビザへの変更手続き中のJビザ滞在期間延長

国土安全保障省は必要に応じてH1Bビザへの変更手続き中のJビザに限り、滞在期間の特別な延長制度が適用されます。該当する条件としては:
Jビザプログラム終了後30日、またはそれ以前にH1Bビザの申請を行っている
・ その年のH1Bビザ発給数が限定数に達してしまっているため、ビザを発給されなかった
事などがあげれれます。延長期間は、翌年のH1Bビザ発給日までです。ただし、滞在期間が延長されたらといって、H1Bビザ雇用主のもと就労する事は出来ないのでご注意下さい。この特別措置は、飽くまで国土安全保障省が必要性を感じた年にのみ適用されるもので、毎年行われるものではありません。詳細は担当の弁護士にお問い合わせ下さい。

このように、J-1ビザは各種学生ビザ、就労ビザと重複する内容はあるものの、アカデミック・トレーニングの長さや扶養者の就労許可など、様々な点で利点のあるものとなっています。基本理念にある交換訪問という「意図」にさえ注意すれば、アメリカでの長期に渡る滞在を可能にする事も出来ますので、留学や就労計画のオプションとして検討する価値はあります。


ビザ博士に聞こう!

トレー二ー厳格化の傾向
J1交換訪問ビザの法改正が及ぼす厳格化傾向のまとめです。

Jビザは、留学生、職業研修者、研究者など幅広い分野での交換プログラムで活躍したい方が利用出来るビザですが、今回の改正は主に職業研修者が対象です。職業研修者とは、一般的にインターンという名称で知られていますが、資格としては、最低2年間の職歴が関連する学歴が必要でした。今回の改正では、「インターン」と「トレーニー」と分類され、資格も以下のようになりました。

【インターン】 現在アメリカ以外の大学、短大、専門学校で教育を受けている方、または卒業して12ヶ月以内の方が対象になり、期間は最長で12ヶ月有効です。インターンの場合、職歴を必要としないため、実社会を経験することが主な目的になりますが、研修内容は、学校での専攻分野に限られますので、専攻と異なる分野での職業研修は認められていません。

【トレーニー】 アメリカ以外での大学、短大、専門学校の卒業、かつ、アメリカ以外の国で1年以上の実務経験がある方、もしくは、大学などを卒業されていない方は、アメリカ以外の国で5年の実務経験がある方が対象者となります。実務経験とアメリカでの研修内容は関連している必要があります。研修期間は最長18ヶ月、ただし、農業、ホスピタリティー(ホテル、レストラン、旅行事業等)の分野の研修は最長12ヶ月となります。ホスピタリティーの分野で研修が6ヶ月以上ある場合は、最低3部門(例:営業、経理、カスタマーサービス)へのローテーションが必要となります。

さらに、新しい改正として、トレーニー、インターン共に20%以上の時間を一般事務業務に費やすことが出来なくなりました。事務行務の例としてはデータ入力、書類の整理、入力作業、郵便仕分けとその分配やその他一般事務作業等が当てはまります。また、従業員が25名以下で過去にJ1トレーニングを行ったことがない会社、または、年商が$3ミリオン以下の会社に対しては、J1認可団体が、その会社を訪問し、トレーニングを行える状況が整っているか、確かめないといけなくなりました。その他、労災保険の証明の提出も義務付けられました。

今回の改正で最も大きな変化は、現在、F1M1留学をしている方に対してのJ1の資格が厳しくなったことです。少なくとも、「インターン」としての資格を満たすのは現実的ではありません。その理由は、国外の学生であるか、卒業したばかりであることが条件だからです。もちろん、1年間OPT後に、「インターン」を申請することは不可能です。さらに、「トレーニー」としても、国外での職歴か学歴が必要なので、例えば、日本で高校を卒業後に留学した方には、J1のチャンスがなくなりました。また、J1申請者の資格が厳しくなっただけでなく、受け入れ企業にも影響がでてきます。特に、規模の小さい会社は、認可団体からの監査も含めて、厳しい審査の対象になります。 この時点での改正にはいくつかの目的があると思います。まず、過去数年において、H1Bビザの枠の問題が発生してため、H1Bビザを取れない人が、J1ビザを申請するという現象が起こっていると政府はみているはずです。すなわち、今回の改正では、H1Bが取れないために代わりにJ1を申請するという行為をしないように、J1の資格を厳しくしたと推測できます。

さらに、今回の改正では、職業研修者を受け入れて、一般的な仕事をさせたり、アメリカ人労働者を解雇してはいけないと規制しています。これは、多くの受け入れ企業が、アメリカ人を雇用する代わりに、J1研修者を受け入れ、一般の仕事をさせていると政府側が疑っているからのようです。特に、規模が小さな会社では、研修目的とよりも、人手不足の解消にJ1を使っていると疑われているので、監査の義務が付け加えられたといえるでしょう。 もちろん、ある程度の規模の会社でも、ブローカーなどを使用して、大量にJ1研修者を受け入れているところがありますが、今後はそのような企業に対しては、J1ビザは発行されないと思います。事実、新しく改正された申請用紙には、過去のJ1取得者の数などを記載する箇所があり、それにより、人材不足としてJ1を使用しているかどうかが一目瞭然で分かるようになっています。例えば、従業員100名の会社で、20名がJ1ビザ保持者の場合、審査する側にはどのような印象を与えるでしょうか?全社員の20%が職業訓練生というのは、あり得ない数字です。一体誰かが彼らのトレーニングをするのでしょうか?このような極端な現状は、確実に取り締まりの対象になると思います。

今回の改正は、J1不当使用を取り締まるのが目的だといえますが、すでに、大使館でのビザ面接も非常に厳しい内容になっており、その点からも、今後はより一層、J1ビザが取りにくくなるかも知れません。 逆に、アメリカ国外にいる学生「インターン」については、今までなかったカテゴリーなので、その点については、資格枠が広がったといえます。全く職歴のない方でも、学生か新卒者であれば、参加できるので、学生の間にアメリカで実務経験を希望されている方には、朗報だと思います。その意味でも、本来の正当なトレーニングを目的とする方には、特に心配する必要はなく、非常に効果的なオプションだといえるでしょう。



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