J1交換訪問ビザの法改正が及ぼす厳格化傾向のまとめです。
Jビザは、留学生、職業研修者、研究者など幅広い分野での交換プログラムで活躍したい方が利用出来るビザですが、今回の改正は主に職業研修者が対象です。職業研修者とは、一般的にインターンという名称で知られていますが、資格としては、最低2年間の職歴が関連する学歴が必要でした。今回の改正では、「インターン」と「トレーニー」と分類され、資格も以下のようになりました。
【インターン】
現在アメリカ以外の大学、短大、専門学校で教育を受けている方、または卒業して12ヶ月以内の方が対象になり、期間は最長で12ヶ月有効です。インターンの場合、職歴を必要としないため、実社会を経験することが主な目的になりますが、研修内容は、学校での専攻分野に限られますので、専攻と異なる分野での職業研修は認められていません。
【トレーニー】
アメリカ以外での大学、短大、専門学校の卒業、かつ、アメリカ以外の国で1年以上の実務経験がある方、もしくは、大学などを卒業されていない方は、アメリカ以外の国で5年の実務経験がある方が対象者となります。実務経験とアメリカでの研修内容は関連している必要があります。研修期間は最長18ヶ月、ただし、農業、ホスピタリティー(ホテル、レストラン、旅行事業等)の分野の研修は最長12ヶ月となります。ホスピタリティーの分野で研修が6ヶ月以上ある場合は、最低3部門(例:営業、経理、カスタマーサービス)へのローテーションが必要となります。
さらに、新しい改正として、トレーニー、インターン共に20%以上の時間を一般事務業務に費やすことが出来なくなりました。事務行務の例としてはデータ入力、書類の整理、入力作業、郵便仕分けとその分配やその他一般事務作業等が当てはまります。また、従業員が25名以下で過去にJ1トレーニングを行ったことがない会社、または、年商が$3ミリオン以下の会社に対しては、J1認可団体が、その会社を訪問し、トレーニングを行える状況が整っているか、確かめないといけなくなりました。その他、労災保険の証明の提出も義務付けられました。
今回の改正で最も大きな変化は、現在、F1やM1留学をしている方に対してのJ1の資格が厳しくなったことです。少なくとも、「インターン」としての資格を満たすのは現実的ではありません。その理由は、国外の学生であるか、卒業したばかりであることが条件だからです。もちろん、1年間OPT後に、「インターン」を申請することは不可能です。さらに、「トレーニー」としても、国外での職歴か学歴が必要なので、例えば、日本で高校を卒業後に留学した方には、J1のチャンスがなくなりました。また、J1申請者の資格が厳しくなっただけでなく、受け入れ企業にも影響がでてきます。特に、規模の小さい会社は、認可団体からの監査も含めて、厳しい審査の対象になります。
この時点での改正にはいくつかの目的があると思います。まず、過去数年において、H1Bビザの枠の問題が発生してため、H1Bビザを取れない人が、J1ビザを申請するという現象が起こっていると政府はみているはずです。すなわち、今回の改正では、H1Bが取れないために代わりにJ1を申請するという行為をしないように、J1の資格を厳しくしたと推測できます。
さらに、今回の改正では、職業研修者を受け入れて、一般的な仕事をさせたり、アメリカ人労働者を解雇してはいけないと規制しています。これは、多くの受け入れ企業が、アメリカ人を雇用する代わりに、J1研修者を受け入れ、一般の仕事をさせていると政府側が疑っているからのようです。特に、規模が小さな会社では、研修目的とよりも、人手不足の解消にJ1を使っていると疑われているので、監査の義務が付け加えられたといえるでしょう。
もちろん、ある程度の規模の会社でも、ブローカーなどを使用して、大量にJ1研修者を受け入れているところがありますが、今後はそのような企業に対しては、J1ビザは発行されないと思います。事実、新しく改正された申請用紙には、過去のJ1取得者の数などを記載する箇所があり、それにより、人材不足としてJ1を使用しているかどうかが一目瞭然で分かるようになっています。例えば、従業員100名の会社で、20名がJ1ビザ保持者の場合、審査する側にはどのような印象を与えるでしょうか?全社員の20%が職業訓練生というのは、あり得ない数字です。一体誰かが彼らのトレーニングをするのでしょうか?このような極端な現状は、確実に取り締まりの対象になると思います。
今回の改正は、J1不当使用を取り締まるのが目的だといえますが、すでに、大使館でのビザ面接も非常に厳しい内容になっており、その点からも、今後はより一層、J1ビザが取りにくくなるかも知れません。
逆に、アメリカ国外にいる学生「インターン」については、今までなかったカテゴリーなので、その点については、資格枠が広がったといえます。全く職歴のない方でも、学生か新卒者であれば、参加できるので、学生の間にアメリカで実務経験を希望されている方には、朗報だと思います。その意味でも、本来の正当なトレーニングを目的とする方には、特に心配する必要はなく、非常に効果的なオプションだといえるでしょう。
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